本の感想 #56

 天平の甍 井上靖 新潮文庫1964/3刊  昭和32年12月中央公論社
   2012/10高田馬場芳林堂 

 「秘書晁監の日本国に還るを送る」の漢詩を目にし、阿倍仲麻呂から遣唐使に関心。
 本棚にあった文庫本を読み始めたもの。

  第9次遣唐使発遣 
 留学僧 大安寺 普照(ふしょう)  興福寺 栄叡(ようえい)
 当時、課役を免れるための百姓の出家 為政者の悩み
 人為的な法律は無力で仏徒が信奉する釈迦の至上命令によるしかないと考えられた。
 正しい戒儀を整えるのが必要だった。

 鑑真 阿倍仲麻呂 吉備真備 
 玄宗皇帝 老子を尊び、道教を好んでいた。
 解説 山本健吉
 「異域の人」主人公は後漢の班超 西域の漢化に力を尽くしてきた三十年の回想
 蟻のような人間の営みも歴史の盲目的意志の前の他愛もなく呑み込まれてしまう感慨
 数十年の間に書き写したおびただしい経文とともに海底に沈んでしまう
 歴史の流れに対する感慨