本の感想 #62

D a t e    2023/01/24

 ハロー、ユーラシア   福嶋亮大  講談社  2021/9刊   
  21世紀「中華」圏の政治思想

  著者 1981年生 京都大学文学部中国文学科卒 立教大学准教授
     『復興文化論─日本的創造の系譜』ほか

香港、台湾と中国の対立を梅棹忠夫が提示した文明の生態史観における「第一地域」である台湾、
香港と、「第二地域」の中国との衝突ととらえた

  カント 「平和状態は創設されなければならない」
   自然は諸民族の混合を妨げ、彼らを分離しておくため用いた手段   言語と宗教

 中国の露骨な商業主義的なテクノポリティックス 「言語と宗教」を乗り越えようと
 梅棹忠夫 第一地域と第二地域  文明の栄えた第二地域、遊牧民・不安定な王朝 建設と破壊

 中国には1840年アヘン戦争以来の「百年国恥」のストーリーがある。
集団心理、集団記憶
  結局のところ歴史をどう描くかは「観測者」の属する環境による。
 『三体』をめぐって 中国の知識人は総じて超自然的なファンタジーを語ることに禁欲的。
  形而上的学的書物ではなく『史記』のような歴史書が優れた古典として敬われた。
  
   方向修正可能な「民主主義」と独裁・専制・・・利権・権力