本の感想 #59

D a t e    2023/11/15

敵対的買収とアクティビスト     太田洋   岩波新書   

 「敵対的買収」  対象会社を、その同意なく買収すること cf 「友好的買収」

 一般に会社の「所有者」は株主であると考えられているにもかかわらず敵対的買収か否かは
 取締役会の判断によるものされている・・・「ねじれ」
 この「ねじれ」をできるだけ解消すべきものか、それとも「所有と経営の分離」の観点から
 当然のものとして考えるか    ⇒敵対的買収が常に激しい論争の的になっている原因

 取締役のエージェンシー問題  「保身の利益」
 「株主の利益」とは何か
 ディール・プロテクション(買収取引保護)条項
 
 敵対的買収を正当化する論拠・・・・効率的市場仮説 ⇐ 会社の経営支配権をめぐる「市場」
 経営陣と株主との間の構造的な利益相反を重視する考え方
 株主資本主義とステークホルダー資本主義(例ドイツなどの共同決定法)
 米国における「株主ファースト」からの軌道修正
 欧州におけるショート・ターミズム(短期的利益追求主義)への規制

 ESG,SDGsへの潮流と環境アクティビストの登場